VMware ESXiの構築と運用
VMware ESXiについて書籍[できるPRO VMware vSphere 6]の内容をベースについてまとめました。
VMware ESXiインストール
VMware ESXiのインストールの前提条件
ESXiのインストールに必要なCPU要件は以下の通りです。
ハードウェア仮想化支援機能はデフォルトで無効になっているため、BIOSまたはUEFIから有効化します。
VMware ESXiのインストール手順
VMware ESXi 6.0のインストール手順は以下の通りです。

初期設定
ESXiインストール完了後、[F2]キーを押下し、ダイレクトコンソールインターフェース(DCUI)より初期設定します。
VMware ESXiの基本操作
ESXiへのSSHによるログイン
ターミナルソフト(TeraTerm、PuTTYなど)でESXiにSSH接続することで、ESXiシェルへログインできます。手順は以下の通りです。
- ESXi側でSSHを起動する
- ターミナルソフトよりSSH接続する
ESXiシェルより[dcui]コマンドを実行するとDCUIが起動します。
仮想ディスクプロビジョニングの種類
仮想ディスクのプロビジョニングについては、以下の仮想ディスクの中から選択します。
仮想マシンのインストール
Windows系OSのインストール後、コンソール内でのショートカットは以下の通りです。
VMware Toolsによるパフォーマンス向上
Windows系OSに適応するVMware Toolsのインストール方法は以下の通りです。
VMware Toolsをインストールすることで、ESXiからゲストOSへシャットダウンコマンドを実行できるようになります。
- [仮想マシン]→[ゲスト]→setup64.exeを実行
- インストール開始、仮想マシン再起動
Linux系OSにはopen-vm-toolsがインストールするため、追加でのインストールは不要です。
仮想マシンの基本操作
仮想マシンのデバイス構成を変更するには、基本的には仮想マシンをシャットダウンしてデバイスを編集しますが、ゲストOSの種類によっては、仮想マシンをシャットダウンせずに編集可能です。
- メモリの追加
- CPUの追加
- ネットワークアダプタの追加
ハードディスク容量の変更
以下の手順を実施します。
ハードディスクの追加
以下の手順を実施します。
メモリの追加
以下の手順を実施します。
予め、ホットアド(Hot Add)機能を有効にすることで、仮想マシンをシャットダウンせずにメモリの追加が可能です。
ネットワークアダプタの追加
ネットワークアダプタの追加には仮想マシンのデバイスの再構成が必要になりますが、仮想マシンをシャットダウンする必要はありません。以下の手順を実施します。
CPUの追加
以下の手順を実施します。
予め、ホットアド(Hot Add)機能を有効にすることで、仮想マシンをシャットダウンせずにCPUの追加が可能です。
スナップショットの取得
パッチの適応前やアプリケーションのインストール前にはスナップショットを取得します。
スナップショットを取得するとスナップショット取得以降の変更差分がスナップショット取得時に作成されるvmdkファイルに書き込まれます。
スナップショットを削除する時に、このvmdkファイルは既存のvmdkファイルにマージされます。変更差分用のvmdkファイルが大きくなるとデータストア領域を圧迫したり、スナップショット削除の際に時間がかかります。
仮想ネットワークの構築
仮想マシンのネットワーク構成
仮想マシンが外部へ通信するためには以下のような仮想的なコンポーネントを経由することでネットワークに接続されます。
- 仮想マシン
- 仮想的なNIC(仮想NIC)
- 仮想マシンポートグループ
- 仮想スイッチ
- 物理NIC
仮想スイッチに作成されるポート
仮想スイッチに作成されるポートは以下の3種類です。
ロードバランシングポリシー
仮想マシンポートグループごとにロードバランシングポリシーを設定できます。以下の4種類の方式があります。
- 発信元の仮想ポートIDに基づいたルート
- IPハッシュに基づいたルート
- 発信元MACハッシュに基づいたルート
- 明示的なフェイルオーバー順序を使用
物理NICを常時複数使用する[Active-Active]方式、障害が発生した際に切り替わる[Active-Standby]方式と呼びます。
仮想スイッチを作成する
仮想スイッチを作成するにはvSphere Web Clientより以下の手順を実施します。
仮想マシンを外部ネットワークにつなげる
仮想マシンを仮想スイッチに接続することで、外部ネットワークへアクセスできます。
VMware vCenter Serverの構築と運用
vCenter Serverの構成要素
vCenter Serverを構築することで以下の機能を実装できます。
- 仮想マシンのテンプレートおよびクローンを利用する
- アラーム機能によりESXiのリソースを監視する
- ゲストOSの移動(vMotion / Storage vMotion / HA / FT / DRS)
なお、vCenter Serverの構成要素は以下の通りです。
VMware vCenter Server Applianceのインストール手順
VMware vCenter Server Applianceのインストール手順は以下の通りです。
- WebブラウザよりMy VMwareへアクセスし、ISOファイルをダウンロードする
- ISOファイル(D:\vcsa-ui-installer\win32\installer.exe)を実行する
- デプロイタイプより[組み込み Platform Services Controller]を選択する
- アプライアンスのデプロイターゲット(ESXi)を指定する
- デプロイサイズ、ストレージサイズを指定する
- データストアを指定する
- ネットワークの設定(IPアドレス、FQDN、DNSサーバなど)を指定する
vCenter Serverのインストール手順は以下のサイトに丁寧に解説されていました。

データセンターの作成とESXiの登録
データセンターを作成しESXiを登録する手順は以下の通りです。
- vCenter Severのホスト名→[新規データセンター]を作成
- [ホストの追加]ウィザードよりESXiを登録する
vSphere Web Clientのショートカット
vSphere Web Clientのショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー | 操作 |
---|---|
Ctrl+Alt+1 | ホーム画面を表示 |
Ctrl+Alt+2 | vCenterホーム画面を表示 |
Ctrl+Alt+3 | [ホストおよびクラスタ]画面を表示 |
Ctrl+Alt+4 | [仮想マシンおよびテンプレート] |
Ctrl+Alt+5 | [ストレージ]画面を表示 |
Ctrl+Alt+6 | [ネットワーク]画面を表示 |
Ctrl+Alt+S | クイック件s区へポインタを移動 |
仮想マシンの展開方法
仮想マシンの展開方法には以下の3種類があります。
テンプレートの活用
クローンの活用
仮想アプライアンスのインポート(OVF形式)
仮想マシンの移動
コールドマイグレーションの操作手順
vMotion / Storage vMotionの操作手順
vSphere HAの操作手順
vSphere FTの操作手順
vSphere DRSについて
vSphere DRS(Distributed Resources Scheduler)により、ESXiに負荷が集中した時に、別のESXiに仮想マシンを自動的に移動することができます。以下の3種類の自動化レベルがあります。
OVFファイルによるゲストOSの移行
コールドマイグレーションやvMotionなどによる仮想マシンの移動は移動元と移動先が通信可能である必要があります。直接通信することができない場合は、OVFファイルなどによるデータ移行が必要です。
vCenter Server Web ClientよりOVFファイルをエクスポートした場合、以下のファイルがダウンロードされます。
OVFファイルによるデータのエクスポートおよびインポートをする際は、VMDKファイルの種類(シンプロビジョニングか?シックプロビジョニングか?)を事前に把握します。
シックプロビジョニングの場合、利用しているディスクのサイズが少量でも確保したサイズが大容量であれば、ファイルサイズは大きくなり、エクスポート(インポート)に掛かる時間も膨大になるため注意が必要です。
基本的にはエクスポートしたファイルをそのままインポートすれば問題ありませんが、もし一部のvmdkファイルが存在しない場合は、ovfファイルの該当vmdkファイルの記載を削除すれば、存在するvmdkファイルのみでゲストOSをインポートできます。
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